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蒲田キャンパス 特別講義「大田ものづくり学2022」第7回

2022年09月15日 蒲田キャンパス 特別講義「大田ものづくり学2022」第7回

大田ものづくり学では " 大田区関連企業 " にお話をしていただいてきたのですが、今年度より " 大田区関連企業 " 縛りを緩くして、他地域様々な企業様にもお話をしていただこうということになりました。
今日の第7回は横浜市にある株式会社ニット―藤澤 秀行 氏 にお願いしました。 
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会社は創立55年従業員数50名、開発・設計・試作・金型・量産加工・組立まで一貫生産できるのは中小企業としては珍しい存在だと思いました。(藤澤氏が手で示しているあたりに、本学科の4年半前の卒業生が写っています。)
20年前は従業員も10数名ほどだったのが、取引先の経営者の方が倒れたのがきっかけでM&Aを行い、短期間で工場設備の増強、人材、技術、販路拡大を行えたそうです。
私のイメージでは " M&A " というと " 敵対的買収 " のイメージが強いのですが、ニットー様が行ったのは、いわゆる中小企業の " 事業承継 " で、売り手側企業も雇用継続・取引先への製品の安定供給・売り手経営者の方のハッピーリタイヤ等を上手にできた例なのだなぁと思いました。
3社企業合併をしたことが、開発から組立・&自社で一貫生産ができる技術を得るキッカケになったそうです。
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藤澤氏の製品開発の考えである " 開発から製品化、販売までのプロセス = オープンイノベーション " につながる出来事が、2012年4月に行われた「春のおばかモノづくり祭り(オンライン展示会)」に出品したモノであったみたいです。それは現在も販売中の「iPhone Trick Cover」。
1.「私が欲しかった」モノを作りオンライン展示会に出品
2.そのモノのNet上の反響で「社内の一貫生産により製品化を決意」
3.クラウドファウンディングプロジェクトをスタート(10年前ですよ)
4.活動報告を通してNet上から様々な意見を得て、製品を進化させる
5.クラウドファウンディング成功
6.自社サイトで販売開始
言葉で書くとこのような過程だったらしいのですが、中小企業の自社製品として「日本初!」のクラウドファウンディングを活用したモノだったので、各種メディアでも取り上げられたそうです。
製品の紹介動画は出演、撮影、編集も自分で行い YouTube にUP。(これも10年前です)
正式な製品名より「iPhone ヌンチャクカバー」の方が認知度が高いと自虐的にお話しされていたいましたが、これが世界中で バズり、日本にいながら世界43カ国・累計出荷台数50,000台達成の商品になったそうです。 
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このよう従来の製品開発とは異なり " 公開型製品開発 = オープンイノベーション " を行うことにより、独りよがりな製品開発ではなくユーザーニーズも取り入れ短期間でアイディアを製品化・販売することができたそうです。物凄く「いいタイミング」でソーシャルメディアの創成期が利用し、それが従来からのマスメディアに取り上げられるという「今流」の製品プロモーションを10年前に実現した、藤澤氏の " 時流を見る目 " & " 行動力 " に驚かされました。

その後の活動も、" 横浜の製造業10社(YMV) " でイタリア・ミラノでの " ミラノサローネ " に出展(2017~2019)して評価を得たり、" 町工場たいけん えんにち! " と称した工場オープンのイベントの開催

等々、精力的に活動しておられます。

現在、取り組んでいる製品・サービスは " archelis " 
開発のきっかけは自治医科大学の医師から、「立って長時間の手術をすることがつらい」という話から。

現在は医師だけではなく「世界から立ち仕事のつらさをなくす」、「世界中の人々が、いつでも健康に過ごせる社会の実現を目指します」というとんでもなく大きい「社会課題解決」を目指す商品になっています。
実際に講演終了後に数名が装着して「ほんとに足腰の負担がない」という感想を持っていました。
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 「iPhone Trick Cover」のように YouTube 動画のように見た目だけではなく、体感してもらうことの難しさ、さらには社会実装の困難さがあるそうです。
実は私が今回最も驚いた話が、この " archelis " から 2020年に「作業支援用装着型下肢支持用具の構造及び試験法」JIS B 9810という規格化がされたことでした。JIS (日本産業規格)ですよ。自分が開発したものがJIS (日本産業規格)ですよ。「凄い」としか言いようがありません。

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最後に " ものづくり " で社会課題をを解決する!" という考え方は「凄いなぁ」と思う一方、最後の方で話の出た「アイディアそのものには価値はない」、「具体化されて価値を持つ」、「多くの行動により価値が高まる」という考え方が「学生に響いてくれたらなぁ」と思った講演でした。ありがとうございました。
(oka)

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