機械設計科(CAD 専門学校)

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卒業製作@八-5 リアサスペンション

2014年10月30日 卒業製作@八-5 リアサスペンション

八王子チーム 設計演習/卒業製作の授業です。
校内荷物運搬車 DAIHACHI荷Z(仮)設計製作中

荷Zのリアサスペンションです
SUS



大変複雑な構造をしていますが、これには紆余曲折いろいろな理由がありまして、成り行きの詳細は省きますが、自動車用語でこの構造は「ダブルウィッシュボーン式」と言い上下2対のアームがあり車輪の上下動の軌跡をコントロールしています。
更にバネとダンパーが車体側に付いているのでこれを「オンボード式」と言い、棒(ロッド)を介してバネを押すので「プッシュロッド式」と言います。
フォーミュラタイプのレーシングカーでは古典的な形式で現代のF1でも主流の方式です。
スライド


anime_web


サスペンションというと車輪の姿勢と走行性能との関わり、「サスペンションジオメトリ」という底なしの世界が広がっていますが今回はこの様に、車輪の高さが変わっても姿勢は変わらない様にできています。
理由はまずは機構の設計ができる事が先決。底なしの世界には足を踏み入れない。と言う決意
そしてドライブシャフトがユニバーサルジョイントで繋がっている事が関係しています。
ユニバーサルジョイントとはドライブシャフトの首振り部分についているジョイントの事です。
ご覧のように動力を伝えつつ角度を変える事が出来るのですが、角度が変わると1周する間に角速度が変化するという欠点があります。
この欠点の為、市販乗用車では等速ジョイントという部品を使用しています。

今回の設計では一旦振った角度を元の角度に戻す事で角速度も戻しています。
つまりドライブシャフトの両端、デフギアからの出力軸(アウトプットシャフト)と車輪の軸(ハブシャフト)はサスペンションが動いても常に平行になるように設定されています。
これで角速度は一定になり、走行時のギクシャク感は防げるはずです。

SUS_GEOMET
とは言え成立する機構の設計だけでも結構な奥の深さでした
これは設計中のCADの画面です。
バネの反力、ベルクランクのレバー比、入力角度、各支点の配置等々、何かが少しでも変われば荷重を受けた時のホイールの反力変化に影響します。
力を線分の長さ(ベクトル)にして3次元作図し、配置を最適化しました。
本校で使用する3D−CADソフト「CATIA V5」ではそれらの作図をテンプレ化して行えますので、様々な幾何学的配置(ジオメトリ)を試しながら検討でき、また周辺部品の設計変更など、条件の変更等による設計変更にも素早く対応することができます。

upright
さて、いくら便利でも、いくら使いこなしてもCADは設計の道具。設計の目的は現物を作ることです。
こちらは製作中の現物でアップライトです。
構成部品が揃い今は溶接作業に入っています。


tig1-Rszd

tig2-Rszd

溶接の様子です。
これはサスペンションアームを作っている所です。
溶接の詳細はまた次回

お楽しみに

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